カジノドライヴとは、2005年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。
概要
父Mineshaft、母Better Than Honor、母父Deputy Ministerという血統。見ての通りの米国産馬である。父は大種牡馬A.P.Indy(エーピーインディ)の代表産駒で、1993年にGI4勝を挙げ米年度代表馬となった活躍馬。母も重賞ホースで、同じ牝系に欧州2歳王者*ザールやアイルランドオークス馬*ピーピングフォーンなどGIホースがゴロゴロいる超良血。ちなみに曾祖母Best in Showまでファミリーを広げるとアーモンドアイが出てくる。
そして、2歳上の半兄Jazil、1歳上の半姉Rags to Richesは共にGIベルモントステークスを勝利。当時の米国で一番勢いのある血統の御曹司としてカジノドライヴは誕生したのである。
そんなカジノドライヴは内外で高額馬を買いまくっていた山本英俊オーナーが95万ドルで購入(このセールの時点でJazilはGI馬だったが、Rags to Richesはまだ一介の未勝利馬だったからこの額で済んだと思われる)。日本でデビューすることとなる。
名門藤沢和雄厩舎に所属したカジノドライヴ。当初は2歳夏のデビュー予定だったがフレグモーネを発症したことで予定が狂い、新馬戦で2度も除外される不運もあってデビューは結局3歳2月。しかしこの新馬戦を2着に2.3秒差という尋常じゃない競馬で完勝を収める。この一戦で見せつけた実力に血統背景も手伝い、残り3ヶ月あまりながら一気にきょうだいによるベルモントS3連覇への期待が高まった。海外志向の強かった山本オーナー、そして海外遠征のノウハウで右に出る者はいない藤沢師も意向は同じで、カジノドライヴは1勝馬の身ながらベルモントS制覇を目指し生まれ故郷のアメリカへ飛んだ。
初戦にはGIIピーターパンSを選択。紆余曲折を経て名手ケント・デザーモを迎えたこの1戦で、カジノドライヴは1番人気に応え2着に5馬身3/4差をつける圧勝。その強さは同年のケンタッキーダービー馬Big Brownがお手馬にいたデザーモをして「頼むから本番まで騎乗予定を空けといてくれ」と言わしめるほどだった。
その後Big BrownがプリークネスSも制し二冠馬となったことでさすがにデザーモに依頼するわけにもいかなくなり、一時は新馬戦で騎乗した武豊に依頼したが、最終的に6000勝ジョッキーのエドガー・プラドの騎乗が決定。ベルモントSに向けて順調に調整されていたのだが、よりによってレース前日に左後足に挫石を発症。出走できないほど重度のものではなく当日朝まで出走の是非が検討されたが、直前のキャンターの後、藤沢調教師は「出走だけなら可能などという状態で無理はさせたくない」として出走回避を決断。帰国の途についた。
同年秋には一度破れた米GI勝利の夢を叶えるべく再度アメリカに飛び、条件戦勝利をステップにBCクラシックに挑んだが最下位に大敗。帰国後ジャパンカップダートに出走したが6着に終わる。
翌年は自己条件である1600万下(海外重賞は一部の大レースを除いて日本の条件戦くらいの賞金しか出ないことが多い)のアレキサンドライトSを勝利し、日本でもオープンに昇格。GIフェブラリーSに出走するがサクセスブロッケン!!!!!!の2着に敗れる。その後ドバイワールドカップで8着に敗れ、帰国後に屈腱炎を発症。約2年後に復帰したが輝きは取り戻せず、同年春に引退した。
種牡馬としては地方重賞馬を多数輩出したが、中央では活躍馬を出せぬまま2019年に14歳の若さで早世してしまう。しかし同年ヴェンジェンスがGIIIみやこSを勝ち、産駒のJRA重賞初制覇。そして2021年には公営船橋のカジノフォンテンが川崎記念に勝利し、産駒初のGI制覇を天国の父に届けている。
血統表
Mineshaft 1999 黒鹿毛 |
A.P. Indy 1989 黒鹿毛 |
Seattle Slew | Bold Reasoning |
My Charmer | |||
Weekend Surprise | Secretariat | ||
Lassie Dear | |||
Prospectors Delite 1989 栗毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | |||
Up the Flagpole | Hoist the Flag | ||
The Garden Club | |||
Better Than Honour 1996 鹿毛 FNo.8-f |
Deputy Minister 1979 黒鹿毛 |
Vice Regent | Northern Dancer |
Victoria Regina | |||
Mint Copy | Bunty's Flight | ||
Shakney | |||
Blush With Pride 1979 栗毛 |
Blushing Groom | Red God | |
Runaway Bride | |||
Best in Show | Traffic Judge | ||
Stolen Hour | |||
競走馬の4代血統表 |
主な産駒
- ヴェンジェンス (2013年産 牡 母スペシャルクイン 母父スペシャルウィーク)
- カジノフォンテン (2016年産 牡 母ジーナフォンテン 母父ベストタイアップ)
- メイショウカズサ (2017年産 牡 母プレシャスエルフ 母父*コロナドズクエスト)
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関連項目
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