概要
ザンスカール帝国との戦闘で得られたデータを基に、リガミリティアが月面上のセント・ジョセフの地下に設けたテクネチウム工場にて製造した、ヴィクトリーガンダムの発展型MS。開発工場に出入りしていたアナハイムの技術者との協力もあり、本機は、アナハイム系MSとサナリィ系MSとのラインが交わった機体とも言えるかもしれない。
型式番号は不明だが、リガ・ミリティアの機体番号法則にのっとれば『LM314V11』など、いろいろな線が考えられる。
機体の基本的なシステムはVガンダムに準じているが、アップデートされた新型ボトムリムとトップリム。ミノフスキードライブを搭載した新型コアファイター。ミノフスキーシールドの装備と、装甲パーツの強化による防御力の向上や、メガビームキャノンの装着による長距離攻撃能力の付与などにより、部分的なデータを見る限りにおいては、運用環境が限定されたMAや、特化した重戦闘用MSに匹敵するほどのスペックまでもが付与されている。
言わば、より広い意味での汎用性を持ったVガンダムとも語るべき機体なのだが、このような能力のアップは、ジェネレーターへの過大な負担と重量の増加を招き、機動力の低下を引き起こしてしまうため、 この時代までの白兵戦を主体にしたMSにおいては不可能とまで語られてきたものであった。
にもかかわらず、このセカンドVにおいてこれらの事柄を実現せしめえたのは、ひとえにミノフスキードライブ・ユニットの開発に成功したことによると言われている。
強力な力場を構成して、その反発力で推進する、このまったく新しいシステムは、これまで用いられてきた核融合スラスターやミノフスキークラフト、ミノフスキーフライトなどとは比較にならぬほど強力でありながら、なおかつジェネレーターへの負担が極めて小さいため、 莫大な余剰出力を他の装備に振り分けることが可能になった。
戦歴
セント・ジョセフ地下での機体整備中、ウッソ・エヴィンは、自分の経験律にのっとった技を付け加えるために、Vガンダムからの制御プログラムをいくつか移植しており。セカンドVの初出撃の前には、すでに基本性能にも熟知していた。
その後、月面での戦いから、ザンスカール艦隊との戦闘、エンジェル・ハイロゥ戦と続き。ファラ・グリフォンのザンネック、カテジナ・ルースのゴトラタン、クロノクル・アシャーのコンティオ(小説版にはゲンガオゾやリグ・コンティオは未登場)などとの、最後の戦いを駆け抜けることになる。
小説版のラストでは、シャクティ・カリンやマリア・ピァ・アーモニアの呼びかけに応えたサイキッカー達の力により、エンジェル・ハイロゥの波動が信じられないような力を発揮し、戦闘空域にいたものを地球に帰還させ、分解したエンジェル・ハイロゥの一部は光速を超え外宇宙に旅立って行ったという。そして、ベスパは完全に瓦解し、ザンスカール戦争は終わりを告げた。
セカンドVも、ゴトラタンとの戦闘でボトムリムを損傷し、トップファイターの状態になったまま、キールーム部分と共に"どういうわけか"カサレリア付近へ着陸し、帰還。
ウッソは日常に戻り、ひとつ歳をとり、冬を迎えようという所で物語は終わる。
V2ガンダムとの関係
作中でも大きな活躍をしたセカンドVであったが、フレーム自体はV1タイプと同じなため、ミノフスキードライブのポテンシャルを引き出しきれているとは言えなかった。
ウッソは、カタログデータのままにドライブのパワーを上げすぎると機体がバラバラになるかもしれないという推測をしており。事実、アニメ版に登場する『V2ガンダム』は、V1タイプではミノフスキードライブの性能を発揮できないという理由で、完全新規の設計で製造されている。小説版の機体解説には、この先のヴィクトリータイプの進化がかかげられており、いくつかの資料では、アニメ版の世界線でもセカンドVの存在自体は示唆されている。
アニメ版では、物語には登場しなかった本機のデータを元に、さらなる発展型である『V2ガンダム』が造りあげられたという事になっている……と見ていいのかもしれない。
兵装
コックピット・ブロック
操縦機器やパイロット・シートに関しては、Vガンダムと共通のパーツが用いられている。
ウェポン・プラットホーム
両肩に備えられた、 オプション兵装用のジョイント。 作中ではメガビームキャノンとミノフスキーシールドという対艦戦用の装備がされているが、他のパーツや、同じものを2基備えることも可能である。
ミノフスキー・ドライブ・ユニット
セカンドVの最大の特徴を成している新型の推進システム。 力場を構成して、その反発力で推力を得るが、いまだ未完成の部分もあり、場の形成時にメガ粒子を多量に放出してしまう。 通常は噴射炎程度にしか見えないが、 最大出力時に他の兵器のビームが加わると、まるでMSが光の翼を広げているような状態になり、それ自身が長大なビームの刃になって敵を撃破する。小説版においても、光の翼は戦場での不可思議な現象として敵味方から扱われ、ザンネックとの戦いの決め手になるなどの使われ方をしていた。
漫画『機動戦士ガンダム F90FF』では、過去にサナリィに所属していたオーティス・アーキンズらが、宇宙世紀110年代からミノフスキードライブの研究を続けているという描写があるが、はるか先のリギルドセンチュリーにおいてすらミノフスキークラフト(フライト)の存在はあれど、"完成した"ミノフスキードライブがどうなったのかは確認できていない。
本機に搭載されているシステムの完成度は、おそらくはF99レコードブレイカーやファントム以上、V2ガンダムには劣るものであると推測される。
コア・ファイター
Bパーツと呼称されることもある、Vシステムの中枢を構成するコックピット(コア)ブロックの飛行形態。セカンドVにおいても、頭部パーツやミノフスキードライブユニットは、すべてここに備えられている。
本来はパイロットの脱出用に考案されたものであったが、さまざまな状況での運用が可能なため、単体で局地戦用の軽戦闘機として用いられたり、右図に示したように、他のパーツと組み合わせて、トップファイターやボトムファイターと呼ばれる重戦闘機として戦線に投入されることもある。
特にセカンドVのものは、ミノフスキードライブユニットを搭載しているため、高い運動性を保持しているので、戦力としても十分に期待できるだけの性能を秘めているのではないかと推察される。
メガ・ビーム・キャノン
長距離攻撃用のメガ粒子砲。 標準装備のライフルとは比較にならぬほど強力な破壊力を持つため、敢えてキャノンと呼称されている。 白兵戦時には切り放しも可能。
セカンドV単独でのムッターマ・ズガン艦隊の掃討を期待されるほどの火力を有しており、敵MS部隊の後方に位置する、多数のザンスカール艦艇を、長距離から1射でまとめて沈めるほどの凄まじい攻撃力をもっているが、V2バスターガンダムのメガビームキャノンのように出力調整は難しいのか、混戦状態での使用を躊躇する場面も見られた。
『三日月のブーフゥ』ことザンネックとの戦いでは、キャノンを即席で取り付けたために固定が不完全な状態ながら、長距離での高出力ビーム兵器同士による射撃戦を繰り広げた。
ミノフスキー・シールド
戦闘用の艦船に装備されたものに匹敵する防御力を持った、新型の高出力ピームシールド。現状の設定だと、F90Kのメガビームシールドの発展型のひとつと言う事になるだろうか。
中心から縦に二つ折りにされており、 使用時には展開して用いられるが、最大出力時には備えられたシールドビットを三方向へ射出して空間にビームの膜を展開する。そのエネルギー消費はあまりにも莫大であるため、ミノフスキードライブの採用によってジェネレーターの出力に充分な余裕を持つセカンドV以外のMSがこの装備を用いようとしても、行動不能に陥ってしまうほどである。
ちなみに、ビットを放出しない状態でも通常のビームは防御可能である。
作中では、ザンネック相手に、ミノフスキードライブの光の翼と一緒に使用し、敵を翻弄しながら機体の分離戦法を駆使し、ファラ・グリフォンを撃破。エンジェル・ハイロゥでのゴトラタン戦では、敵のメガビームキャノンの砲撃をシールドでいなしながら肉薄。近距離戦に持ち込んでいた。
ミサイル・ランチャー
ザンネック戦で一斉掃射したミサイル。
設定解説には載っていない武装であり、詳細は不明。HGUCのプラモデルにも本装備は付いてこない。V2バスターガンダムがハードポイントに装備しているものと似たような追加装備だろうか。
ビーム・ライフル
V2ガンダムが使用している、新型の出力強化バレルを用いたものと同型と思われるビームライフル。ビームを励起するコアのピストル部分は、リガ・ミリティア製ビームライフル全種共通である。
マルチプル・ランチャー
ビームライフル銃身下部に備えられた汎用グレネードランチャー。 さまざまな弾が用意されている。
ビーム・サーベル
HGUCを見る限り、V2ガンダムと同型と思われるビームサーベル。
作中ではゴトラタンへのとどめなど、対艦戦装備で出撃していたにもかかわらず、使用頻度は高かった。
他メディアへの登場
本機は、最初から詳細な設定などは存在していたのだが、小説版にのみ登場するモビルスーツという事で、かなりのマイナーな存在であった。だが、ゲーム『SDガンダム GGENERATION WORLD』の登場以降、アニメへのゲスト出演や立体物等も見かけるようになり、2019年には1/144HGUCでプラモデル化もされている。
関連リンク
関連項目
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