ノーブルミッション(Noble Mission)とは、2009年生まれのイギリスの競走馬で、現在は種牡馬である。鹿毛の牡馬。
競走成績は21戦9勝、うちG1・3勝。
概要
父:Galileo(ガリレオ) 母:Kind(カインド) 母父:*デインヒル
ノーブルミッションを紹介する際に真っ先に出てくるのは、G1を10勝した無敗の名馬フランケルの全弟だということであろう。血統紹介はフランケルの記事参照…というのも何なので最低限説明する。
父ガリレオは、現役時代にG1を3勝し、英愛リーディングサイアーなどを獲得した名種牡馬。
母カインドは現役時代にリステッド競走を2勝し、繁殖成績としてはフランケルや本馬の他、2頭の半兄にG3馬ブレットトレインなど。
母父デインヒルは現役時代にG1を1勝し、種牡馬としては英愛・仏・豪それぞれでリーディングを獲得した名種牡馬。
現役時代
9戦9勝G1を5勝と3歳時点で既に大物となっていたフランケルの1歳年下の全弟として2011年10月デビュー。 兄と同じハーリド・ビン・アブドゥッラーを馬主に、兄と同じセシル調教師の厩舎から、兄と同じトム・クウィリー騎手の騎乗で臨むも5馬身差の2着。次走は2012年の4月となったが今度は3馬身以上付けて初勝利。5月にはリステッドの10ハロン(約2000m)戦、ニューマーケットステークスを勝利したが、同月に出走したリステッドのフェアウェイステークスはエディ・アハーン騎手を鞍上にクビ差で2着。クウィリー騎手に戻り6月に初の重賞である12ハロン(約2400m)戦のキングエドワード7世ステークス(G2)に臨むもここも2着。7月の12ハロン戦ゴードンステークス(G3)で初の重賞勝利となった。
ここから12ハロン級の重賞に出走するも、8月のグレートヴォルティジュールステークス(G2)を4着、10月のセントサイモンステークス(G3)を2着、4歳となった2013年4月のファイネストサプライズステークス(G3)を3着、5月のジョッキークラブステークス(G2)を4着と大敗こそしないものの勝利から遠ざかることとなった。
5月に行われたリステッドのタップスターステークスはモンガン騎手鞍上で勝利を収める。この後にフランケルの調教師でもあったセシル調教師が亡くなりセシル夫人が調教師となっていたが、次走のクウィリー騎手に戻った6月のハードウィックステークス(G2)は4着、8月のローズオブランカスターステークス(G3)は3着、フランスに遠征した10月のドラール賞(G2)も4着とやはり勝ちきれない状況が続くことになった。
ドラール賞はジェームズ・ドイル騎手が鞍上であったが、ドイル騎手は本馬には先行策が向いていると判断。
5歳初戦の2014年4月にドイル騎手の元で再び臨んだファイネストサプライズステークス(G3)は2着であったものの、同月のゴードンリチャーズステークス(G3)は9馬身差で快勝。5月のハクスリーステークス(G3)も2馬身以上の差をつける勝利となった。
同月の次走に選ばれたのはアイルランドのタタソールズゴールドカップ(G1)。ここも勝利し、3連勝でG1初制覇となった。6月にはフランスのサンクルー大賞(G1)に臨みここは2着…かと思いきや9月に勝ち馬のはずのスピリットジム(Spiritjim)から禁止薬物が検出され失格。G1の2勝目ということになった。
7月のドイツでのダルマイヤー大賞(G1)[1]は2着に終わり、次走はイギリスでのチャンピオンステークス(G1)となった。兄フランケルが2年前に勝利したヨーロッパ有数のレースであり注目されていたが、奇抜とも言われつつ実績を残していた逃げ戦術でG1の3勝目を挙げることとなった。
ドイル騎手は騎乗に多少問題があったのか7日間の騎乗停止処分と1万ポンドの過怠金を科されたようであるが、それでもこの勝利は印象的なレースとなったようである。
このレースの後、2014年のカルティエ賞最優秀古馬も受賞し、5歳にしてフランケルの弟というだけでない、「高貴な任務」という馬名に相応しい一流馬として評価されることとなった。
改めて戦績を振り返ると、21戦して5着以下となったことがない安定感も特徴であろうか。
種牡馬入り
2015年からアメリカのレーンズエンドファームで種付け料25000ドル(300万円弱)の種牡馬として繋養されることが決まった。フランケルと別の場所で繋養したほうが競合しないと考えられたためであるという。初年度は種付け数146頭を集め、6年目の2020年時点でも種付け料の値下げはありながら65頭を集めていた。
2020年10月に、日本軽種馬協会が導入を発表。フランケルの全弟とあって話題になった。種付け料150万円で初年度の2021年は128頭を集めたものの、2年目は61頭、3年目は33頭と種付け数が急減している。
日本軽種馬協会は公営であることもあり、需要が僅少であっても青森や九州の種馬場に移すなどして繋養を続ける傾向にはあるものの、せっかく輸入されたのだから人気となるような産駒を輩出してほしいものである。日本で種付けされた産駒は2024年にデビュー。2024年8月16日現在のJRAでの産駒勝利は輸入以前の2019年にアメリカから輸入されたベルゲンハーバーによるものだけであるが、これからの活躍に期待か。
アメリカ繋養時代の代表産駒としては、トラヴァーズステークス、アメリジョッキークラブゴールドカップのダートGI2勝を挙げたコードオブオナー(Code of Honor) がいたが種牡馬入りから1年で急死。
その他、スパニッシュミッション(Spanish Mission) は欧州で芝重賞3勝。
ノーボールズ(Nobals)はGIブリーダーズカップ・ターフスプリントを勝利しているものの玉無し騙馬である。
血統表
Galileo 1998 鹿毛 |
Sadler's Wells 1981 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Fairy Bridge | Bold Reason | ||
Special | |||
Urban Sea 1989 栗毛 |
Miswaki | Mr. Prospector | |
Hopespringseternal | |||
Allegretta | Lombard | ||
Anatevka | |||
Kind 2001 鹿毛 FNo.1-k |
*デインヒル 1986 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer |
Pas de Nom | |||
Razyana | His Majesty | ||
Spring Adieu | |||
Rainbow Lake 1990 鹿毛 |
Rainbow Quest | Blushing Groom | |
I Will Follow | |||
Rockfest | Stage Door Johnny | ||
Rock Garden |
クロス:Northern Dancer 3×4(18.75%)、Natalma 4×5×5(12.50%)、Buckpasser 5×5(6.25%)
主な産駒
関連項目
脚注
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