ブレイブスマッシュ(Brave Smash)とは、2013年3月22日生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2015年:サウジアラビアロイヤルカップ(重賞)
2018年:フューチュリティステークス(GI)、マニカトステークス(GI)
概要
父トーセンファントム、母トーセンスマッシュ、母父トウカイテイオーという血統。
父トーセンファントムは2歳オープンのいちょうステークスを勝利した後、東京スポーツ杯2歳ステークスでも2着となったものの朝日杯フューチュリティステークスで故障し引退。母母エリザベスローズの産駒にはブラジルリーディングサイアーのアグネスゴールド、フサイチゼノン、リミットレスビッドなどがいるほか、母母母ノーベンバーローズの系統にガイアフォースがいる。トーセン冠で知られる島川隆哉がオーナーブリーダーでもあることから種牡馬入りしたが、初期の産駒のほぼ全てが島川のエスティファームによる生産であった。ブレイブスマッシュは唯一の重賞馬。
母トーセンスマッシュは中央1勝。スカーレット一族とも呼ばれダイワメジャー、ダイワスカーレット兄妹を輩出したスカーレットインクの牝系に属する。
母父トウカイテイオーはクラシック二冠などGI4勝の名馬。直仔からGI級勝ち馬を3頭出した一方で、母父としては不振気味であり、重賞3勝のレーベンスティールや障害GI馬のシングンマイケルなどはいるものの、2025年4月現在の平地GI馬がブレイブスマッシュのみとなっている。
三代前まで全ての馬が内国産馬か日本で繋養されていた馬という中々日本色の強い血統である。
生産は先述のエスティファームで島川隆哉の所有となった。馬名の意味は「勇敢+母名の一部」。トーセン冠でないのはこの年から娘に反対されたなどの理由で一時冠名の使用を取り止めていたため。
戦績
2歳(2015年)
美浦の小笠倫弘厩舎に入厩し、6月に子役経験で知られる菅原隆一を鞍上として芝1600mの新馬戦でデビュー。5番人気に支持されたレースでは、好位追走から一旦先頭に立ったものの、後に重賞3勝馬となるロードクエストに捕らえられ2馬身差の2着。
7月の芝1600mの未勝利戦では2番人気に支持され、デアリングハート産駒のデアリングエッジから半馬身差の2着。
ミルコ・デムーロが鞍上となった8月の芝1600mの未勝利戦でも2番人気に支持されたが、ブラックエンブレム産駒のアストラエンブレムに敗れ4馬身差の2着。
9月の芝1500mの未勝利戦では横山典弘が鞍上となり、単勝1.5倍の1番人気に支持されると、ここは上がり最速を出して2着のメイショウアンカーに5馬身差付けて初勝利を決めた。
続いて10月には前年にいちょうステークスとして重賞になり、同年改称されたばかりで国際グレード格付け前のサウジアラビアロイヤルカップ(重賞)に出走。単勝8.1倍の4番人気に支持されたレースでは中団でレースを進めて直線で先頭に立ち、1番人気イモータルにハナ差で勝利。トーセンファントムがオープン時代のいちょうステークスの勝ち馬ということで父仔制覇といえるかもしれない。2着とクビ差の3着には2番人気アストラエンブレムがいたほか、5着には同馬主で同じくトーセンファントム産駒の3番人気ハレルヤボーイがいた。なお、ハレルヤボーイもブレイブスマッシュと同時期にオーストラリアに移籍したが、こちらはあまり結果を残せなかったようだ。
12月にはホープフルステークス(GⅡ)に参戦したが、ここは7番人気7着。
3歳(2016年)
3歳初戦は1月の京成杯(GⅢ)に出走したが、9番人気12着。
3月には距離短縮でファルコンステークス(GⅢ)に出走。3番人気に支持されると、不良馬場の中で後方15番手から直線で上がり最速タイを出し、トウショウドラフタから1馬身半差以上ながら2着と好走。鞍上の横山は「よく頑張ってくれているよ」とコメントした。
続いて5月にはNHKマイルカップ(GI)に出走し、9番人気8着。
更に同月の東京優駿(GI)に出走したが、ここは単勝350.6倍とブービー17番人気。最後方からのノリポツン競馬で、結果は勝ち馬マカヒキから11.1秒差、17着の馬からも9秒離された最下位18着。パドックでもイレ込み、スタート直後も暴走気味だったことが影響したのではないかといわれているが、ある意味印象に残るレースとして語られることも多い。
11月の芝1600mのオープンであるキャピタルステークスで復帰。8番人気だったが、内から伸びて2着とアタマ差の3着と健闘した。
4歳(2017年)
4歳初戦は1月の芝1600mのオープンであるニューイヤーステークス。3番人気に支持され、結果は3着とクビ差の4着。
続いて3月のオーシャンステークス(GⅢ)に出走。2番人気に支持され4番手でレースを進めたが、結果は2着から順に半馬身差、アタマ差、ハナ差と混戦の4着。
このレース後、同月のうちにJRAの競走馬登録が抹消されてオーストラリア移籍が発表された。前年のトーセンスターダムの移籍なども影響したのか、トーセンスターダムと同じオーストラリアン・ブラッドストック・シンジケートの所有となった。
トーセンスターダムと同じくダレン・ウィーア厩舎に入厩し、移籍初戦はダミアン・レーン鞍上で8月の芝1200mのリーガルローラーステークス。ここは2番人気でVega Magicに半馬身差の2着。
9月には芝1200mのチャンドラーマクロードステークス(ベンディゴバンクステークス)に出走し、1番人気に応えて好位追走から早め先頭で押し切り、同厩で名牝Winx(ウィンクス)の半弟El Divinoに半馬身差付けて移籍後初勝利。
同月の芝1200mのテスタロッサステークスも1番人気に支持されたが、ここはクビ差で敗れて2着。
続いて10月には超高額賞金レースとして同年に創設された芝1200mのジ・エベレストに出走。ジェイミー・スペンサー鞍上で12頭立ての10番人気であったが、追い込んで3着と健闘。因みにVega Magicは2着。
5歳(2018年)
1月の芝1200mのオーストラリアステークス(GⅡ)ではクレイグ・ウィリアムズ鞍上で1番人気に支持されたものの、かかり気味でブービー5着。
2月の芝1400mのCFオーアステークス(GI)ではジョン・アレン鞍上で4番人気となり、末脚を見せたが僅差の3着。1番人気トーセンスターダムは11着。
同月の芝1400mのフューチュリティステークス(GI)ではウィリアムズ鞍上で1番人気に応え、道中3番手から直線で馬群を抜け出してトーセンスターダムに4分の3馬身差付けてGI初勝利。
3月の芝1200mのニューマーケットハンデキャップ(GI)では5番人気に支持され、一旦は先頭に立ったもののRedkirk Warriorに差し切られて2着。
4月には芝1200mのTJスミスステークス(GI)に出走し3番人気に支持されたが、直線で馬群から抜け出し3番手まで進出したものの、ゴール前で伸びを欠き7着。
更に同月の芝1400mのオールエイジドステークス(GI)にマーク・ザーラ鞍上で出走し、2番人気に支持されたものの直線で手応えが悪く最下位10着。
南半球のオーストラリアでは新シーズンは8月からであるため、9月の芝1100mのザヒース1100ステークス(GⅢ)で復帰。3番人気に支持されると、4番手での競馬で3着。
続いて同月の芝1100mのザショーツ(GⅡ)にヒュー・ボウマン鞍上で出走。3番人気に支持され3着。
同月には更に芝1000mのモイアステークス(GI)に出走。3番人気に支持されると追い込んで末脚を見せて1着Viddoraから1馬身差以上の2着。
10月には再び芝1200mのジ・エベレストに出走したが、ここは9番人気で8着。
同月には芝1200mのマニカトステークス(GI)にも出走。中団に控えてから第4コーナーで3番手に進出しアタマ差で勝利。余談だが、ボウマン騎手は翌日のコックスプレートをWinx(ウィンクス)で4連覇した際に、競馬の開催日はプレッシャーが和らいだとしてブレイブスマッシュの勝利に触れている。
11月には芝1200mのスプリントクラシック(GI)にウィリアムズ鞍上で臨んだが、7番人気8着に終わった。
6歳(2019年)
1月の芝1200mのオーストラリアステークス(GⅡ)ではマイケル・ウォーカーを鞍上に4番人気9着。
同月にウィーア調教師が電気ショック発生装置所持などの疑いで逮捕されたため、クリス・リーズ厩舎に転厩。
2月の芝1400mのCFオーアステークス(GI)では9番人気も4着と健闘。
同月の芝1400mのフューチュリティステークス(GI)では4番人気に支持されたが、内枠で進路がなく7着。
3月の芝1200mのニューマーケットハンデキャップ(GI)ではダミアン・オリヴァー鞍上で9番人気となったが、末脚を伸ばし3着と好走。
同月にはドバイに遠征し芝1200mのアルクオーツスプリント(GI)に出走。ボウマン鞍上で好位に付けたが結果は8着。このレースを最後に引退した。
種牡馬入り
オーストラリアのアクイスファームで種牡馬入り。初年度の種付け料は2万オーストラリアドルで122頭の牝馬を集めた。
2022年10月にBrave Haloが初勝利を挙げ、2024年1月にはBrave Meadが産駒の重賞初勝利、同年11月にはKimochiが産駒初のGI馬となった。
2023年からはヤラマンパークに繋養先を移動し、毎年一定以上の牝馬を集めているようである。
ネオユニヴァースの、そしてトウカイテイオーの血がオーストラリアに広がっていくことを期待したい。
血統表
トーセンファントム 2007 黒鹿毛 |
ネオユニヴァース 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ポインテッドパス | Kris | ||
Silken Way | |||
バースデイローズ 1995 栗毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
エリザベスローズ | *ノーザンテースト | ||
*ノーベンバーローズ | |||
トーセンスマッシュ 2004 栗毛 FNo.4-d |
トウカイテイオー 1988 鹿毛 |
シンボリルドルフ | *パーソロン |
スイートルナ | |||
トウカイナチュラル | *ナイスダンサー | ||
トウカイミドリ | |||
アナスミラビリス 1991 鹿毛 |
*リアルシャダイ | Roberto | |
Desert Vixen | |||
スカーレットブルー | *ノーザンテースト | ||
*スカーレットインク | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:*ノーザンテースト 4×4(12.50%)、Northern Dancer 5×5×5(9.38%)、Hail to Reason 5×5(6.25%)
主な産駒
2020年産
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アメリカンペイトリオット
- ウインテンダネス
- キョウエイギア
- クロコスミア
- ゴールドドリーム
- サウンドスカイ
- シャケトラ
- シンハライト
- ジュエラー
- ジュールポレール
- セイウンコウセイ
- タリスマニック
- チェッキーノ
- ディーマジェスティ
- ドレフォン
- ファインニードル
- ホークビル
- ミッキーロケット
- メジャーエンブレム
- ヨシオ(競走馬)
- ラニ(競走馬)
- レインボーライン(競走馬)
- ロンドンタウン
- ヴィブロス
▶もっと見る
- 1
- 0pt