ラッキーライラックとは、2015年産の日本の競走馬である。牝・栗毛。
2017年の阪神ジュベナイルフィリーズとエリザベス女王杯連覇、2020年の大阪杯を制した。
たまに「ラララ」と略されることがあるが、「ラララ」という名前の競走馬はすでにいた(2011年産、未勝利)。
主な勝ち鞍
2017年:阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)、アルテミスステークス(GIII)
2018年:チューリップ賞(GII)
2019年:エリザベス女王杯(GI)
2020年:大阪杯(GI)、エリザベス女王杯(GI)
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この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターについては 「ラッキーライラック(ウマ娘)」を参照してください。 |
概要
父オルフェーヴル・母ライラックスアンドレース・母父Flower Alleyという血統。父はクラシック三冠と凱旋門賞2着2回・母は米国G1馬で近親にはアエロリットやミッキーアイルなどがいるなかなかの血統。栗東の松永幹夫厩舎所属。
ラララ歌うよ紫丁香花
2歳~3歳:2歳女王の栄光と挫折
関東の中堅騎手石橋脩を背に新馬戦を父と同じ新潟マイルで勝ち上がり、2戦目のG3アルテミスSは先行抜け出して勝利。暮れの阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)は中団から差し込んで初G1勝ち。翌年のチューリップ賞(GII)も早め先頭で後続を突き放して勝つ王者の競馬。
順調かつ危なげのない競馬で王道路線を歩み、桜花賞(GI)でも当然の1番人気。内枠を利して堂々抜け出しを図り、無敗の桜花賞馬が誕生かと思われた。――アーモンドアイさえいなければ。
捲土重来を期した2冠目オークス(GI)ではアーモンドアイに及ばないどころか3度降したリリーノーブルにさえ先着を許す。夏を越した秋華賞(GI)は調整の頓挫と主戦の落馬乗り替わりで全く良いところなく大敗し3歳の戦績は尻すぼみで終わってしまう。
上記のクラシック残り二つを制したのはいずれもアーモンドアイ。2歳女王として期待を受けた彼女には常に後のGⅠ9勝馬が立ちはだかるという苦難の3歳シーズンとなった。むむむ…
4歳:1年8カ月のトンネルを抜けて
立て直して再起した翌4歳初戦の中山記念(GII)では中山巧者ウインブライトとクビ差2着し復調を見せる。しかし断然の1番人気で迎えた阪神牝馬S(GII)は馬群でもがき惨敗、続く2戦ヴィクトリアマイル(GI)と府中牝馬S(GII)は厳しいペースの先行策で終い苦しくなり敗戦。歯がゆい結果が続いたことで乗り替わりとなり、かつて父とともに凱旋門賞を戦ったC.スミヨンを鞍上に据える。
3番人気で臨んだ秋の大一番エリザベス女王杯(GI)は、前年度覇者のリスグラシューが豪コックスプレートに、宿敵のアーモンドアイが天皇賞(秋)に挑んだため不在となるが、それでも後に牝馬最強世代と言われるラヴズオンリーユーとクロノジェネシスの女王2頭に、2年連続2着のクロコスミアが出走するなど錚々たるメンバーが揃うレースとなる。スローペースの中団で折り合い他の有力馬が4角から捲って外目進出するなか京都外回りのラチ沿いをロスなく立ち回り、逃げ込みを狙ったクロコスミアを捉え惜敗続きにピリオドを打った。
当時実況を担当した関西テレビの岡安譲アナウンサーも「2歳女王が甦る!2歳女王が甦る!」とラッキーライラックの復活勝利を讃え、ここに堂々の復活を果たしたのである。この実況で2012年宝塚記念にて「三冠馬が復活する!三冠馬が復活する!」の実況と共に勝利を果たした父・オルフェーヴルを思い出したファンも多いだろう。
この年の最後のレースには香港ヴァーズ(沙田2400m・GI)を選択した。やや後方からの競馬になったが直線で伸びグローリーヴェイズからは離される形にはなったが香港のExultantは交わし2着を確保した。
5歳:九冠牝馬と共に
2020年になった初戦は中山記念(GII)からM.デムーロに乗り替わって始動したが直線で早めに抜け出したダノンキングリーを捕らえることができず2着に敗れた。
迎えた大阪杯(GI)では好スタートを見せると3番手につけ、直線で間を割って抜け出し、さらに追撃するクロノジェネシスを振り切ってGI3勝目を挙げた。
宝塚記念(GI)では5番手から最終コーナーで仕掛けたが、同じく最終コーナーで仕掛けたクロノジェネシスに抜け出され、また後続のキセキなどにも追い抜かれ6着に沈んだ。
真夏の札幌記念(GII)では1番人気に支持されることとなった。好スタートを見せ2番手の好位置でレースする展開となったが、直線での反応が悪く、ノームコアとペルシアンナイトの2頭のG1馬に差され3着に敗れた。
エリザベス女王杯(GI)。京都競馬場が工事のために阪神で開催。去年に続いての出走で1番人気に推されるも3.3倍の評価。しかし、先週史上初のG1八冠を達成したアーモンドアイの鞍上:クリストフ・ルメールを背に最後の直線では馬なりのまま持っていき、最後は詰められるもクビ差で勝利し連覇達成。GI4勝目。
エリザベス女王杯の連覇は史上4頭目。阪神競馬場の別々のG1を3勝したのは史上初となった。
翌月に有馬記念(GI)に出走。初めて福永祐一が手綱をとったが、先頭集団から2馬身半離れた4着に終わる。距離2500mは少し長すぎたようだ。予定通りこのレースを最後に引退、ノーザンファームで繁殖牝馬となる。
ラッキーライラックが大阪杯、エリ女を勝った2020年、3歳時代に壁として君臨したアーモンドアイは同年のヴィクトリアマイル、天皇賞(秋)、ジャパンカップを勝ちGⅠ9勝という金字塔を打ち立てた。どうしても彼女の大記録に隠れがちな現役生活を送ったが、オルフェーヴルの代表産駒として十分な実績を残した現役生活と言えるだろう。立派な仔を産み、今後デビューするであろう産駒がアーモンドアイの仔に負けないような将来を期待したい。
2024年にはエリザベス女王杯にてメモリアルヒーローの対象となり、当日の京都第10レースにて「ラッキーライラックカップ」が実施された(3勝クラス、ダート1800m)。
エピソード
血統表
オルフェーヴル 2008 栗毛 |
ステイゴールド 1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
ゴールデンサッシュ | *ディクタス | ||
ダイナサッシュ | |||
オリエンタルアート 1997 栗毛 |
メジロマックイーン | メジロティターン | |
メジロオーロラ | |||
エレクトロアート | *ノーザンテースト | ||
*グランマスティーブンス | |||
*ライラックスアンドレース 2008 栗毛 FNo.6-a |
Flower Alley 2002 栗毛 |
Distorted Humor | *フォーティナイナー |
Danzig's Beauty | |||
*プリンセスオリビア | Lycius | ||
Dance Image | |||
Refinement 1994 鹿毛 |
Seattle Slew | Bold Reasoning | |
My Charmer | |||
*ステラマドリッド | Alydar | ||
My Juliet |
クロス:ノーザンテースト 4×5、Mr. Prospector 5×5
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関連項目
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