v作戦(vocaloid)とは、VOCALOIDのシンセサイザーとしての一面に着目し、声音作りに拘ったプロジェクトである。
概要
通常、シンセサイザーを使用する場合は、プリセットの音色をそのまま使うだけでなく、プレイヤーが自分で音色を制作する事が多い。
しかし、VOCALOIDにおいては、キャラクター性の維持のため、声音(音色)の変化は作り手からも視聴者からも歓迎されない傾向にある。
(初音ミクのAPPENDライブラリに対して、「これは(自分の思う)ミクじゃない」という意見が出る事さえあった)
そのため、通常のシンセサイザーと異なり声音(音色)作りを行うユーザーが極端に少なく、Gender Facterの制御による、性転換亜種(ミクオ、KAIKO、MEITO、がくこ等)と紐付けられた女声化、男声化や、斜め上PによるMEIKOの亜種キャラ「咲音メイコ」と紐付けられたアイドル声化、声を持たない亜種ボーカロイド向けの声音作成くらいしか行われず、それ以外は視聴者からも認知されて居ないのが現状である。
v作戦(vocaloid)は、そういう状況を打破し、VOCALOIDの作り手側が声音作りを行い、視聴者側も受け入れる土壌を作り、声音作りのノウハウを蓄積していくために立ち上げられたプロジェクトである。
声音調整技術
- Gender Facterの調整
元々、VOCALOIDに備えられた判りやすいシンセサイザー的機能であり、ライブラリによっては、これを弄るだけで大幅に声音が変化する。ただ、一定の変化しか行えずマンネリかしやすい点、パラメータを変更しすぎると綺麗な声音とは言えなくなってしまうのが難点である。 - Resonanceの調整
初代VOCALOIDにのみ備えられたパラメータで、4バンドあるResonanceを用いて声音の倍音を増幅/減衰させることで、細かやかな音色調整を可能にする。増幅、減衰させる倍音の周波数を指定するFrequency、増減値を指定するAmplitude、EQのQ値のような指定周波数からどれくらいの幅を変化させるか指定するBandWidthという3つのサブパラメータを持っている。このパラメータを変化させた場合の声音の変化は予測が難しく、狙って声を作る事は難しい。うまく使えば、声音の透明感を上げたり、ハスキーにしたりさまざまな効果を得る事が可能である。
VOCALOID2以降からはオミットされてしまったため、声音作りの面では初代VOCALOIDのエンジンが最も優れていると言える。 - DAWのエフェクトや、外部ソフトウェアによる調整
AutoTune、V-Vocal(Sonar付属)、VariAudio/Pitch Correct(Cubase付属)、Melodynなどのソフトを用いる事で、声音を変化させる事が可能である。フリーソフトウェアのKerovee/Roveeもかなり使える。
また、ローパス・バンドパスフィルタや、イコライザーを用いて倍音を減衰・増幅する事も可能である。ただ、イコライザーやフィルターは基音に対して動的に変化してかかってくれる訳では無いので、音の高さによって声音が変化してしまったり、場合よっては発音が崩れてしまうのが難点である。
(ベースやキックとの干渉防止や、篭り現象防止に、ハイパスフィルターでローカットするのとは、別問題なので注意)
動的に倍音付加を行ってくれるエンハンサー/エキサイターを用いるのも手だろう。また、アナログコンプレッサーやアナログアンプをエミュレートしたエフェクトの中には、動的に倍音を付加してくれるものもあるので、それを利用するのも手だ。だが、これらのプラグインはたいてい有償エフェクトで高価であるのが難点である。
が、フリーのものも存在するので探してみるのもいいかもしれない。 - テンポをずらして書きだしたものを、速度変化させて使用
単純ではあるが、効果的だったりする。また、これは余談ではあるが、早口が苦手なVOACLOIDの対策にも使える。 - 単純なピッチ修正ソフトを使う
よくあるピッチ補正で○○似シリーズ動画のように、ピタリとハマる事があるので、試してみて損は無い。
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関連項目
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